* daily rotation *












いつもと同じ一日。

何ら変わりの無い一日。


特別な日付でも、何も起こらなければ平凡な日。



俺だってお前の誕生日なんて知らなかった。

お前が俺の誕生日を知ってるなんて、期待してない。

周りの奴ら全員の誕生日把握してるのなんて、きっと千石ぐらいだ。




だけど。



この無味乾燥な気持ちはなんなのだろう。





何かを期待しているような自分が嫌になる。

それでも、後ろを振り返ってしまうのは―――……。




「東方!」


「!」




居た。

いや、来た。



「どうしたんだ、お前…」

「ちょっと…とあること、聞いたから…」


息も絶え絶えに言う南。

上げた顔は笑顔だった。




「誕生日おめでとう」




それだけの一言。

たったそれだけで、今日は特別な日に変わった。



「どうしてそれを…」

「いや、さっき千石がな」

「――」


帰り道が同じと言うことで、南と千石は頻繁に一緒に帰る。

だけど俺だけ方向は正反対だ。


なんとなく感じる、距離。



「千石が、どうした」

「千石が…今日は東の方角が、ラッキーだって」

「え?」

「それで…そういえば、今日って君のパートナーの誕生日じゃなかったかな?って」

「……あいつ」



苦笑い。

千石の行動が、皮肉にさえ思えた。



俺は南が好き。

南は千石が好き。分かってる。

千石は亜久津に気がある。それは南も分かってるはず。

だけど、千石本人はそんなこと何も知らないはずだから。


だから。


…余計皮肉っぽく感じられる。



アイツの天真爛漫さ故だと思うと、なんだか悔しい。




それでも。


太陽は東から昇って西に沈む。

月も同じ。

星も同じ。



早さは違えど廻り続ける世界は、いつまでも変わらない。

特別な日だけど有り触れた日常。





赤い夕陽を背にして、銀色の月を正面に見据えて。



俺達は歩いた。






そんな日常。






















微悲恋っぽい*(まずそれか)
ポエム調な感じがするぞ。ポエマー東方!!(ポエットといえ)

特別だけど平凡で、でもやっぱり特別になったと思ったけど有り触れて居る日常。深。
でもでもやっぱり、いつもとは違うんだよね。

一本線が好きなのさー。


2003/09/10