* zizz *
「今日は良い天気だね」
「うん」
温かな陽光の下。
ゆっくりと歩く道は、穏やかで。
足取りはいつまでも、軽い。
「この辺でお昼にしよっか」
「そうだね」
「手作りだよ」
「それは嬉しいな」
木の下にあるベンチを見つけ、それに座る。
太陽が視界から遮られて、少しスッとする。
話しながらの時間はあっという間に過ぎて。
こんな時が幸せだと思う。
変わっていく毎日は、まるで夢のようで。
「ごちそうさま。美味しかったよ」
「いえいえ」
こんな時がずっと続けば幸せだけど、それは無理だから。
でも、出来るだけ長く一緒に居たいと思う。
「…不二?」
「ちょっと、眠くなっちゃった」
横にある肩にコテンと頭を倒して体重を預けながら。
木々の間から零れてくる日差しが眩しい。
ゆっくりと目を閉じた。
だけど、瞼越しには笑顔が見える。
「お休み」
「…オヤスミ」
次に目が開くときは、外はどんな世界になっているんだろう。
考えているうちに、意識は遠くなった。
再開のときは、くるのでしょうかね。
2003/07/25