* 無題。 *
俺は今、どこに居る?
…分からない。
誰か人は居ないのか?
「シュウ」
これは…の声?
「なんだ?……っ!?」
振り返って、驚く。
何しろそこに居たは…
服を身に着けていなかったんだ。
タオルを軽く一枚纏って、それだけ。
俺が動けず戸惑っていると、歩き寄ってきて、言った。
「ねぇシュウ、“オモシロイ”こと、しよ?」
「ちょっと落ち着け!……ぁっ!」
抵抗する間もなく。
這い回る指。
咥え込んでくる口。
熱い視線を向けてくる上目遣いの眼。
そして、甘い囁き。
「イっ…て……」
「うっ、ま、待て!…あ、あぁー!!」
* * *
『ガバッ!』
「……あ…」
辺りを見回す。
…俺の部屋だ。
いつもと何ら変わりはない。
「どうしたって言うんだ…」
自分の頭を抱え込む。
時計を見てみると、6時48分。
今日は部活もない休日だというのに、随分早く起きてしまった。
寝直そうと思ったのだが、目が冴えてしまって眠れそうにない。
何より、そんな気分になれそうにもない。
「…ふぅ」
軽く溜息を吐きながら、
嫌な汗で体に張り付いたパジャマに風を含ませるように扇ぐ。
誰かに追われる夢を見て、掴まった瞬間に目が覚める、
というようなことはよくある。
そういうときも今のように嫌な汗を掻いている。
でも今回は…話が違う。
起き上がろうとして布団を捲り、気付いた。
自分の見た夢の内容をちらりと思い起こして、
なんとも言い難く苦い気持ちになる。
机の上にあるティッシュ箱を掴み、
再びベッドに座り込んだ。
なんだか、とてつもなく情けなくなり、溜息を深く吐く。
まあ、俺も一応健全な中学生男子である手前、
これが在るべき形といえば、そうなのかもしれないが。
欲求不満。
ストレートに言うと、そうなのだと思う。
とは、今まで体での関係を持ったことは、ない。
それでも。
やはり常日頃から話すことも出来ない、触れることも出来ない苦しみは、
予想以上に俺を狂わせているようだ。
、今どうしてる?
****
――どうして?
シュウはそこに居る。確かに居るのに。
私達、一つになっているはずなのに。
繋がっているのに。
何で?
何も感じない。
快感は愚か、痛みすら感じない。
あるのは、空虚感だけ。
どうして?
どうして?
ねぇシュウ、教えてよ。
私、どうしたらいいの?
痛くない。
特に苦しくもない。
なのに、確かに頬を伝う雫。
どうして涙が零れるの?
私、そんな表情をしてるつもりすらないよ?
感情のない、無表情なまま、ただ前にある瞳だけを見据えているよ?
なのにどうして?
シュウ、助けてよ。
…そんな私に向けて貴方が放った言葉は、ただ一つ。
「大丈夫か?」
…私は、涙を流し続けるしかない。
* * *
「……ぁ…」
そっと開いた目。
そこから溢れる無数の滴に気付く。
…シュウ。
そうか、夢だったんだ。
それで痛みも何も感じなかったんだ。
空白の感情。
でも、今の気持ちとそっくりね。
「ふぇ〜…」
大丈夫じゃないよ、と飛びつきたい。
でも、「助けて」なんて絶対に言えない。
とりあえず涙を拭こうと思って立ち上がる。
その際に机の上にあるカレンダーが目に留まった。
7月26日。
そうか、今日で一年経ったんだ。
疑問解決と共に再び出現した空虚感に、
深く溜息を吐いた。
シュウ、今どうしてる?
………淋しい。
いや、なんか…中途半端でごめんなさい!(滝汗)
やまなしおちなしいみなしとはまさにこれのこと。
はみ出し大稲。(何)
リングはゼロで終わる…。
といっておきながら終わらなかったので、
大稲もまだまだ終わらないかも。笑。
次は大稲バースデー?あ、もう過ぎてら。(爆笑)
元ネタはDWなUYでした。
分かる方だけ分かってください。(難しい)
とりあえずドイツ一周年記念であることには変わりない。
2003/07/25