* cool down *












「大会も近い。体調管理は各自気を配るように
 特にレギュラーは良くクールダウンしておくように…解散!」

「「ありがとうございました」」


今日も平和に一日が終わろうとしている青学テニス部。

しかし、出来事はそんな一角で起こったのだ。


「あー、今日も一日終わったよ」

「桃!」


頭の後ろに手を組むと、そのまま退場する予定だった桃城。

掛けられた声に振り向くと、そこには菊丸が居た。


「なんスかエージ先輩」

「レギュラーは残ってストレッチやってくことになったんだって」

「あ、そうなんスか」


振り返ると、確かにレギュラー陣が散らばってストレッチを始めている。

その輪に加わり自分も同じくストレッチも始める桃城。


「あーどっこいしょっと。ってオレはジジイか。全くやってらんねぇな、やってらんねぇよ」

「ウルセェ。クールダウンぐらい静かに出来ねぇのか」


横を見ると、同じく2年レギュラーの海堂の姿。

桃城は眉に皺を寄せて言い返した。


「ちょっと呟いただけじゃねぇか」

「お前の声はでか過ぎる」

「なんだと!?」


ギャーギャーと騒ぐ二人。

無論、周りのレギュラーたちが「最近あの二人仲良いよね」

などと言っていたことも知るはずはなく。


ストレッチを終えたらしい越前リョーマは、

二人の横を通り過ぎる際に言った。


「全く、クールダウンくらい静かに出来ないのかな。あー熱い熱い」

「「………」」


お互い掴みかかっていた二人は、

手をぱっと離すとフン、と後ろを向いた。


越前の放った言葉の裏の意味には、気付いたのだか気付かないのだか。



 周辺温度急上昇中。





















ライバル以上恋未満。


2003/07/02