* Don't speak!! *
シュウと二人で話していたとき。
盛り上がる話に息が弾んできたとき。
気管支に違和感を感じた我。
「そしたらその時ね……っゲブホ!」
「なんだその咳は…大丈夫か?」
心配そうな表情で覗き込んでくるシュウ。
私は笑顔を向けて否定の言葉を並べたけど…。
「大丈夫だいじょ……ゴッホゥ!!」
「…とても大丈夫には見れないけど」
再び感じた喉の痛みに、思わず噎せ込む。
「ゲホゴホっ…ケホッ!」
「風邪気味か?あんまり無理するなよ」
「え゙〜…まだ話したいこと沢山あるのにぃ」
噎せ込む私の背中を撫でてくれたシュウ。
まだまだ話したりない私。
少しガラ付いた声で文句を言った。
すると…また噎せ込んでしまった。
「ケホケホ!……ごほんっ!」
「…もう、今日は喋るな」
「ふわぁい…」
口を閉じて静かにする私。
そんな私の頭を自分の方に引き寄せながら、シュウは言った。
呆れてるようにも聞こえるけど、優しい微笑みを浮かべながら。
「本当に、無理するんだから」
「だってだって…!」
「喋るの禁止」
「ぅ……」
喋れなくなると、私はすることがなくなって。
温かい腕の中、静かに目を閉じた。
ポンポンと規則正しいリズムで肩を軽く叩かれる。
それが心地好くて、私は夢の世界へと落ちた。
温もりとは落ち着くものですね。
(元気の素の大稲です)
2003/05/25