* Hey, wassup! *












"Hey, wassup!"

まだ眠気の残る朝一番、
こんなに陽気に声を掛けてくる人物は誰か決まっている。

「Wassup, ドゥドゥ。今日もご機嫌だね」
「オレはいつだってご機嫌だぜ」

そう言ってドゥドゥは笑った。
その言葉の通り、ドゥドゥはいつもご機嫌だ。
怒ってる姿も、落ち込んでる姿も頭に浮かばない。

ドゥドゥの陽気な挨拶。
私の一日はいつもここから始まっている。


  **


"Hey, wassup!"

今日も朝から陽気な声が掛かる。
だけど今の私には笑顔を返す余裕はなかった。

"Nothing."
「Hey, どうしたんだ?」
「なんもないってば!」

つい語調を強めてしまった。
目線はドゥドゥから外したけど、
肩を竦めたのが気配でわかる。

冷たい態度を取ってしまった自己嫌悪もあるけど、
機嫌が悪いものは悪いのだから仕方がない。

ドゥドゥは私に同調して機嫌を損ねることもなければ
オレ何かしたか?、なんて聞いてくることもなく。

「そういう日もあるよな」

ポンポン、と肩を叩いて笑顔のまま去っていった。
それがドゥドゥらしいと思って、
別に私の機嫌が直りはしないけど、
居心地はいいと思った。


  **


"Hey, wassup!"

昨日あんな態度を取ったのに、
今日もドゥドゥは陽気に声を掛けてくる。

昨日の態度を謝ろうか、それよりも、
今日は今日のグッドニュースを伝えるのに忙しい。

"Well, everything is great."
「ははっ、今日は特別ご機嫌だな。どうした?」
「やっぱわかる?」

ドゥドゥの笑顔に釣られるように、
私ももっと笑顔になる。

「今日さ、私の誕生日なんだ」

そう伝えると、
ドゥドゥは両目をまん丸にして
OH MY GOD!と額に手を当てた。

見たことないほどショックな顔に
何が起きたと思ったら、

「知ってたらサプライズしてやったのに」

そんなまさかの言葉。

別にそんなの期待してないよ、気持ちだけで嬉しいよ、
と返そうと思った瞬間に
「あ!」とドゥドゥは声を上げて
「ちょっとここで待ってろ」と
両手を前に出してSTOPのポーズ。

「なんで?」
「別に深い意味はないけど、ちょっと待ってろ」

もう一度念を押して、
跳ぶような駆け足で去っていった。

サプライズのカケラもない思いやりが嬉しくって、
残された私は一人で笑ってしまう。

 今のうちにドゥドゥの誕生日聞いておかなきゃね。
 その日は私から朝一にプレゼントをしよう。
 君が毎朝、幸せな気持ちをプレゼントしてくれるように。

ドゥドゥはどこに向かったのか
何かを持ってかえってくるのか
なんの想像も付かないけど、
ドゥドゥ自身はいつものご機嫌な笑顔なんだろうなって
それだけは確信を持ちながらその瞬間を心待ちにした。
























初ドゥドゥ夢!
お誕生日の部屋さんに勝手に捧げました!

不自然にならない程度に
現地っぽい雰囲気を出しつつ
伝わるレベルに英語混ぜるの難しいけど面白いですね〜

ドゥドゥ、陽キャでありつつ緩い雰囲気があるの好きだー!


2023/12/16