* Let you look after me *












ひさしぶりの友だちと飲み会。
なつかしい話に花が咲いて、お酒も進んだ。
めちゃくちゃたのしかったー!!

そしておうちに帰れば、婚約以上入籍未満の旦那様。
私はなんてしあわせ者なんだー!!!

「たらいま〜!」

元気よく、帰宅!
元気……なはずだけど、
ありゃりゃ家にぶじ着いたと思ったらなんか気が抜けた。

ちょっと休憩……。

「お帰りなさい、ってやっぱり!」
「あ、ただいまはじめー。やっぱりってなに?」
「声が聞こえたのになかなかこちらに来ないからおかしいと思ったんですよ」

べろんちょとうつ伏せになってた私。
ほらせめて体を起こしなさい、と体を支えられて
足を投げ出したまま座る体勢になった。
わーいありがとー!

「ありがとね〜」
「まったく、はしたないですよ」
「お外ではちゃんとしてたよ?」
「それも疑わしいですね」
「えー」

ひどいよー、と思うけど、口ではなやかや言いながら
はじめはシューレースを丁寧に解いて片方ずつ靴を脱がしてくれる。
わー。私いつも靴紐結んだままポイポイッ!だよ!

「ほら、立てますか」
「ん?ムリ〜」

うへへうへへと笑ってたら、チッて舌打ちされた。笑
そんな怒ることないじゃんーでも怒るはじめも可愛いー。
ケラケラ笑いながら頭をポンポン叩いたら思いっきり振り払われた。笑笑

「暴れないでくださいよ」

と言いながら姫抱っこ。
ひゃー。
はじめってば、めちゃくちゃ細身だし私と体重そうそう変わらないのに
さすがしっかり鍛えてるだけはあるなぁ細マッチョすごーい!
「重い!少し減量したらどうですか!?」とか文句言われたけど
足元がふらつく様子もなくベッドまで運んでくれた。

「ありがとねー」

って言って、顔を近づけて、ほっぺにチュッ。
硬直したはじめは、一秒後に顔を歪ませて一気に遠ざかった。

「酒くさっ!どれだけ飲んだんですか!」
「えー?いっぱい。一杯じゃなくてイッパイね!」
「全然面白くないですよ!!」

えー、はじめなんか怒ってる??ウケる。
シラフなのがいけない。

「はじめも飲も〜」
「バカ言うんじゃありませんよ」

そう残してスタスタと歩き去ってしまって、
あーいなくなっちゃったなーってさみしく思ってたら
「貴方にはこれです」ってペットボトルのお水を持ってきてくれた。

ペットボトルありがたーい!
寝っ転がったまま飲めるにはボトルが最強!

ぷはぁ。お水うまーい…。
あーベッドもふかふかだしこのまま目を閉じたら…
うと……うと………。

「わっぷ!何!?」
「メイク落としシートですよ!
 どうせこのまま寝たら明日の朝大騒ぎするんでしょう!?」

そう言いながら私の顔をすみずみまでもれなく拭きとってくれて、
ちゃんと私の夜用の化粧水をぺちぺちと叩いてくれて、仕上げに乳液を塗り、
そしてきっちりナイトクリームも……
ふだん私が化粧水ぺっぺで終わろうとすると
「正気ですか!?」って言ってくるだけある…。
さすがスキンケアうるさい系男子。

「はじめの手、きもちい〜」
「当然ですよ日頃からケアしているんですから」

クリームの蓋を閉めながらはじめはフフンと得意げな顔をした。

もうちょっと触っててほしいなあ、なんて。
さっきから世話焼いてもらってばっかなのに甘えすぎ?

「もう少し酔いが覚めたら歯磨きと着替えは自分でしなさいよ」
「えーやってやってー」
「コドモじゃないんだからそれくらやりなさい!」

はーい。
って返したはいいけど、このままだともう寝ちゃいそうー…。

「寝落ちするかも……」
「仕方がないですね。話くらいは付き合ってあげますよ」
「わーい!」

はじめもベッドに腰掛けてくれたので、
私は今日の飲み会であったこと、楽しかったこととか色々話した。
いつの間にかはじめのうんちく語りコーナーになってて
アレ?って思ったりもしたけど。

「そろそろ酔いが冷めましたか」って言うから、
もう立ち上がって歩くくらいできそうな気がしたけど
まだまだこのままお話していたくて
「もうちょっと」って言っちゃった。
もしかしたら、見抜かれていたかもしれないけど。

そしたらはじめは
「貴方ほど世話の焼ける人間、面倒見切れるのはボクくらいなもんですよ」
だって。
そんなはじめを乗りこなせるのは私くらいだって実は私も自負してるけど
乗りこなすのは得意な私は
「そうだね、ありがと」
って力の抜けたふにゃふにゃの笑顔を見せた。
























めちゃくちゃ文句言うけど全部やってくれるし
なんなら頼んですらないのに自主的に世話焼いてくれる観月愛す。
タイトルの意味は『面倒を見させてあげる』です。

一応主人公擁護をしておくと、素面のときは凄くしっかりした子ということで…w

観月夢難しいと思ってたけど、なるほど、
他のキャラだったらドキッとさせられたい願望があるけど
どちらかというとドキッとしている観月を愛でたいな…。

展開的にはこのままなだれ込みセッッとなってもおかしくないところだけど、
きっと観月はそういうことは予め日付を設定して
体調や室内環境のコンディションを整えて挑みたいタイプだと思ったので
この日はこのまま素直に眠ります!おやすみ!!!(笑)


2021/07/10