* What's your name? *












転校初日。
人見知り代表の私は友達が出来る気配もなく
お昼休みになってもひとりぼっち…。

教室にいるのも居づらいし…というわけで屋上に移動。

…今のところ誰もいない。
とりあえず、ここでお弁当を食べようか…。

日当たりは良いけど隅の方、
屋上の一角でお弁当を広げて食べ始める。

もくもく。
もくもく…。

ん?

すっと陰ったのに気付いて顔を上げると、そこには男子が一名。
え、なんか、怖…!

「ああ、おまんか」

おまん?
どっかの方言…?

そういえばこの人、教室に居たような。
クラスメイトっぽいな?

「えっと…ごめん、まだ名前憶えてなくて」
「……柳生じゃ」
「柳生くんね」

柳生くん柳生くん…。
クラスメイトの名前、少しずつ憶えていかないとね。

「で、柳生くん、私に何か用?」

聞くと、柳生くんは目線を逸らした。

「おまんに用事があるんじゃなくて、場所に用があるんじゃ」
「え?」
「そこ、俺の特等席じゃき」

あ、縄張りみたいの決まってるんだ…!
新参者が荒らして申し訳なかったな。

今どくね、って言おうと思った瞬間。

「仁王くん!こんなところに居たんですか。
 昼休みに打ち合わせをすると約束していたでしょう」
「…柳生」

ん、仁王くん?
で、あの眼鏡の人が柳生って呼ばれてた??

「何かお話をされてたんですか」
「……まあの、ちょっとした戯れじゃ」

そう言って二人は去って行った。

どういうこと?
さっきの人は柳生くん?仁王くん?どっち??

とりあえず一人、クラスメイトの名前を憶えられたかなと思ったのに…。

「(……変わった人だな)」

変わってるとは思うけど嫌な感じはしなくて、
屋上の隅の日当たりの良いこの場所は、
私にとっても特別な場所になりそうな気がしてきた。
























ガチャ祈願。
仁王のカードには柳生が映り込んでたので…。


2021/04/16