* てるてる坊主が笑う *












今日は天気予報の通りならば昼前から日が暮れる頃まで土砂降りのはずだった。
そうと信じ込んで、午前のうちにDVDをレンタルしに行った。
いざ選び始めると、あれもこれもと積み重なっていった。

スーパーに移動して食料の買い出しをすると
「映画を見るならおやつも必要だよね」と笑う俺の恋人は、嬉しそうにカゴを一杯にした。
痩せるって言ってなかったかと軽く茶化すと、「今日はいいの」と頬を膨らました。

予報通り、家に帰って来る頃には雨が振り始めていた。
準備していた傘を開いた俺たちは帰路に着いた。

外の天気も相まって電気を点けずにいると部屋は暗室と化した。
上映会が始まり、シリーズ物の映画を一つ二つと見進める。
途中で昼休憩を挟みながらも三部作もいよいよクライマックス、というところだった。

「わっ、眩し!」

きっちりと閉めていなかったカーテンの隙間から日の光が差し込んだ。
急な日差しが眩しい。
横のその人物はソファから立ち上がるとカーテンを閉めに向かった、かに見えたが。

「ね、ちょっと散歩しない?」

カーテンを大きく開け広げると、外は想像以上の快晴。

日が沈むまではまだ一時間ほどある。
映画の続きはいつだって見られる。

「思った以上に晴れたな。出かけようか」
「やった!私、雨上がりの空気って大好き」

そうして俺たちは手ぶらで外に出た。

陽光が心地好い。
横では水たまりを踏む音がする。

「こら、はねるだろ」
「だってたのしーんだもん」

明るく笑うその笑顔は、太陽の下だとなお映えるような気がした。

雲の隙間から光が差す。
傾いてきた太陽は黄色い。
穏やかな時間が過ぎていく。

しかしそんな時間は長く続かず。
光が差す中、ポツポツと。

「うわっ、まだ雨降るんだ」
「日は出てるのにな」
「ひゃー早く帰ろー!」

急な通り雨。
だけど、笑顔は曇らなくて。

「急ご!」

くるりと振り返ると、丸い笑顔の下でワンピースが大きく開いた。
てるてる坊主のようだと形容したら、怒られてしまうだろうか。

こんな時間も悪くない。
そんなことを考えながら、小走りで後ろを追った。
























即興二次小説で『15分』『ジャンル:大石秀一郎』『お題:可愛いお天気雨』でした。
出来としては60点くらいでしたねwさすがに時間足りんかったわw

想定していた作品になるようにプラス10分で最低限修正致しました。
やっぱり作品としてちゃんと仕上げるには見返して修正する時間残さなきゃダメだし
場面遷移が伴うような作は15分では完成しないなということがわかったw
あと、名前変換できない場でキャラ視点は難易度高いw


2021/01/22-24