* 嫌いになれるとどっちが先か *












ねぇ大石くん

私はいつになったらアナタを諦めることができるのでしょう。



「大石くん、好きです」



大石くんは私の前で、あからさまに眉をしかめる。




見つめているだけじゃ実らないとあるとき気づいた。


バレンタインデーにチョコレートを靴箱の中に入れた。

返事はなかった。


だから告白した。

「君とは付き合えない」と言われた。


また告白した。

「好きな人がいるんだ」と聞かされた。


もう一度告白した。

「彼女ができたんだ」と返された。


それで?

今回は?



「ごめん、前も言ったように…俺は君とは付き合えない」



大きくため息が出た。


「ダメだよ大石くん」


わかってない。


「そんな言葉じゃ足りないよ」


アナタは何もわかってないよ。



「もっと言って。私がアナタを諦められるくらいに」



私がアナタを嫌いになれるくらいに。

って、言う勇気がない私も悪いけど。




「俺には付き合ってる人がいるんだ」

「もっと」


「その子のことが好きで、大切なんだ」

「もっと」


「…君のことはこの先も好きになれないと思う」

「もっと!!」



大石くんの口からはそれ以上言葉が出なくて、
ただただ眉をしかめて、目を閉じてそこに立っていた。



心が痛くて、わあわあ泣いて、

それでもまだまだこんなじゃ足りない。



ねぇ知ってる大石くん。

何かが「ありえない」って証明するのって、
「ありえる」って証明ずっと、ずーーっと難しいんだよ。



好きな人の幸せを願うこともできない私に
人を好きになる資格なんてないのかもしれないけど。



それでも、「絶対」が消えない限り、私は永遠にアナタを諦められない。
























大石に傷つけられたくて書いた!(我ながら病気www)


2020/05/16