* 思ったよりは? *












クラスメイトの

荒井くんが怖い。


「あの、荒井くん…」

「ああ?」


斜め後ろから話しかけると、
椅子と首を傾けるように振り返られた。


学級委員の僕は、先生に頼まれごとをされていた。
教卓の上に集められた課題を職員室に持っていくだけ、
そう、それだけなはずなのに、
期限を守ってくれない人がいるから…。

しかもよりによって、提出してくれない人って大体こういうタイプなんだ!
そうでなければイヤだ僕もこんな不良みたいな人に話しかけたくな…


「す、すす数学のプリント集めてるんだけど…」

「……あー」


ひぃぃぃぃ顔が怖い睨まれてるやられる!
ごめんなさい殴るのだけはやめてくだしあふじこlp;@:


「わり忘れてた、ちょっと待て」

「は、はい!」

「もしかして俺で最後?」

「そ、そんな感じ…」


鞄の中をがさごそし始めて、
少しシワのついたプリントを引っ張り出すと
「お、あったわ」なんて言いながら机の上で丁寧に広げ始めた。


「悪ぃな待たせて」


そう言って、僕が持っている束の上に紙を重ねた。



「俺みたいなのがいるから、学級委員も大変だな」



そう言って、笑った。
想像以上に柔らかく。

おや…?



「(思ったより、怖くないな…)」

「あ?まだなんか用か?」

「い、いえ!!!」



その場を脱兎して職員室に向かいながら、
いつも眉をしかめてばかりの荒井くんの笑顔をもう一度思い返した。


「(意外と優しいんだな)」


人は見かけによらないってか?
いや、怖いのは確かに怖い…。
でもただただ怖いだけの不良ってわけでは、ないのかもしれない。


「(僕も、あれくらいはっきり物事が言えるようになればなー…)」


そんなことを考えながら、腕時計を確認して、少し足を早めた。
























私が男主人公書くと大体陽キャになるんだけど
ワイワイするのは林池田で間に合ってるじゃん、
ならば…と思って真逆にしたらとんでもない陰キャになり、
結果ネオ荒カチみたいになってしまった笑
でもきっとこういうタイプって荒井先輩みたいのに憧れると思うの。

荒井先輩のせいで微妙に次の授業に遅れそうになってるのがポイント(←)


2020/03/29