* ワンコと飼い主 *












『遊びたい気持ちはわかるんだけど、
 もう少し待ってくれるか?』



そう言われたのは、30分ほど前。
どうして、こんなことになっているのか。


「秀ちゃ…まだァ…っ?」

「まーだ」


私は、秀ちゃんの膝の上で、
敏感な部分を弄られ続けている。






ある日曜日。

せっかく遊びに来たのに、秀ちゃんは教科書らしき分厚い本とにらめっこをしていた。
いらっしゃいと言われたっきり放置されてるのが悔しくて
隣りに座って腿を揺すったら、さっきの台詞を言われたってわけ。


ヒマだなー。
でも仕方ないよね、勉強の邪魔しちゃ悪いし。

一刻も早く終わってもらうために私は身を引いて待ってた。のに。


「あー…そういうことか」


ひとり言を呟いて頭を掻いた秀ちゃんは、
こっちを見ると
「悪い。もう少しかかりそうだ」
と言った。


淋しいけど仕方ないよね…。

しょんと下がった私の眉に釣られるように
秀ちゃんの眉もハの字になって、
すると「おいで」と言って自分の腿を軽く叩いた。


いいのかな?とにじり寄ると、
「よいしょ」と私の身体を抱えて膝の上に座らされた。


「ごめんな、多分あと20分くらい」

「わかった」


おとなしくそこに座ったまま、
一緒にわけのわからない数字や記号の羅列を眺めることにした。


ひっついてられるのは嬉しい。
でもヒマだな。

そう考えている私に、秀ちゃんは予想外な行動を取る。


「およ」


私は思わず声を出したけど、特に返事はない。
何かというと、秀ちゃんは問題を解く右手はそのまま、
左で私の胸を揉み始めた。


「器用だね…」

「左手、手持ち無沙汰だから」


私の心情もお構いなしにそんなことを言う。

どうしよう…実はすごいドキドキしてるし、
このままだとちょっときもちくなっちゃいそう…。


秀ちゃんはちゃんと集中できてるのかな、と右手の手元に目線を向けると
サラサラと動くシャーペンの先が見えた。
器用すぎるよ…。


余計な邪魔はしないように、
一人だけ興奮してるなんて恥ずかしいことがないように…

私は口を噤んで他のことに気を紛らわせようと視界を見渡した。


今日もいい天気だな。
アクアリウムのお魚さんたちは元気そう。
昨日の夕食なんだっけ。


そうこうしていたら、秀ちゃんの右手が止まった。
うーんと唸ると書いてあった文字に大きなバツをし、
ふうと深呼吸をした。

終わった…わけじゃなさそうだな…。
と様子を観察していると、なんと秀ちゃんの左手は
私のスカートをたくし上げて股の間に。


「秀ちゃん!?」

「もうちょっと待って」


ちょっと待っては私の方だよ…!

そう言いたかったけど言い出せるタイミングもないまま
秀ちゃんは次の余白に文章をスラスラと書き始めた。
その間も、左手は下着越しの私の敏感な部分を撫で上げてくる。

これ、声、出ちゃう…!

なんとか我慢するけど、少しずつ息が荒くなってきているのを
ごまかすのも厳しくなってきた。


どうしよう、そこ、キモチイ…!

声を堪えきれなくなりそうで両手で口を覆った、
そのタイミングで秀ちゃんの手はついに下着の中に滑り込んできた。


「ひゃっ…!」

「どうした、もう待てないのか?」


正直、身体は限界だった。
でも秀ちゃんの勉強は邪魔したくないってのは本当で。
あと、私の意地もあって…。


「まだ、待てる」

「いい子だ」


心にないことを言ってしまった…。

本当は、気持ち良くて、もっと色んなことしたくて仕方がないのに。


もじもじと脚をこすり合わせるのに応えるように、
秀ちゃんの指の動きが一層速くなった。
ダメ……!


「秀ちゃ…まだァ…っ?」

「まーだ」


文字を書いたり二重線で消したりを繰り返しながら、
秀ちゃんは涼しい声で対応してくる。
まるで秀ちゃんの右手は、左手とは別の頭で動いてるみたいだ。


ついに、秀ちゃんの左手は、ぐしょぐしょになっているであろう
私の中心部の奥に迫り、指を中に差し込んできた。


「あぁっ!」


堪えきれずに大きな声が出た。

もう、ムリ。

もうガマンできないし待てない。


「秀ちゃん…もう限界…お願い…」


首を反らして秀ちゃんの顔を覗き込むと、
余裕の表情…を見せるかと思いきや、
予想に反して頬は少し上気していた。

自分に必死すぎて気付いてなかったけど、いつの間にか、
秀ちゃんの中心部も私のお尻を下から押し上げてきている。


「もう待てないのか?」

「だって…秀ちゃんが…」

「わかったよ」


言い訳を述べるまでもなく、秀ちゃんはシャーペンを置いてノートを閉じた。

私を向かい合わせになるように抱え直すと、
そのまま深くて長めのチュウをした。


秀ちゃんの硬くなったおチンチンの先、私のクリちゃんに当たってる…。


それだけでとんでもなく感じてしまう。
少し腰を動かして擦りつけるようにすると、
「そんなに我慢できないのか?」と笑った。


「だって、たくさん待たされたし、秀ちゃんがすごい触るし…」

「わかったわかった」


私を立たせると、下着を下にズラした。
糸が引くのが見えて恥ずかしくて思わず顔を逸らす。


下着を完全に取り去りながら「すごいね」なんて言う。


「もう、どうしてそういうこと言うかな」

「大丈夫だって。俺もすごいことになってるから」


そう言って私の手を取り、硬くなった肉棒に押し当てた。
すごく硬くて、熱くて、それだけで更に下半身が ジュンッ と濡れた気がした。

私はそのチャックを下げると、下着をズラしてソレを覗かせた。
普段あまり取らない行動に驚いたのか、おや、という顔をする。


「どうしたの」

「秀ちゃんも気持ちよくなって」


あむ、とそれを咥えてペロペロと先端を舐める。
手でしごきながら、奥まで咥え込んで引いてを繰り返す。


先端から、しょっぱい液が出てくるのがわかった。

秀ちゃんももっと、気持ち良くなって。
もっと、我慢できないくらいになって。



、上手になったね」

「ふほひひ?」

「うん、気持ちいいよ」


そう言って私の髪をゆっくり撫でる。
なんだか、今日の私は、犬みたいだ。
飼い主に従順な、犬。


「ごほうびほしい?」


待ちわびていた言葉に、コクンと大きく頷くと、
頭をポンポンとされて、立ち上がった秀ちゃんはゴムを装着して戻ってきた。
そして私をベッドまで連れて行くと、
うーんと唸り、


、後ろ向いて」

「こっち…?」

「うん、そう」


四つん這いのまま後ろを向く。
こんな、こんな恥ずかしい体勢。

頭ではそう考えるのに、だからこそなのか、
後ろから私の中心部に秀ちゃんの中心部を宛がわれた瞬間、
刺激と期待で体が震えた。


「挿れるよ…」

「あっ、アッ…!」

「う…すごい締まっ…!
 気持ちいいよ、


ズプズプと硬い肉棒が押し込まれてきて、
背中がのけぞると同時に腕が崩れた。

きもちいい…!


「あぁ〜、あーー!!!」

「締まりすごい、気持ちいいの?」

「〜〜〜」


言葉も発せずに、首を大きく上下に振る。
さっきから、喘ぎ声とかいうより鳴き声のような声しか出せない。


待たされて、焦らされて、
限界までほぐされた私の秘部は、もうドロッドロだ。


もう、キモチイイ以外の感情がない。


「秀ちゃん!イク!もうムリ!イク!!」

「俺もイキそう…もう少し待てるか?」

「も、ムリ…!」

「……いいよ。イキな」


秀ちゃんの腰が速くなって、
私の脳内はスパーク。

何もできなくなって崩れ落ちた私の体を揺さぶって、
秀ちゃんも中で果てるのが感じられた。






  * * *






「ん…」


しばらく意識が飛んでいたのか、
頭を撫でられているのに気付いて目が覚めた。


「ごめん、私…!」

「いいよ、ゆっくり休んでな」


そう言って頭を撫でられ続けて、
また意識がまどろんできた…気がしたけど、
ここで目を閉じたら、次に目を開けたとき、
秀ちゃんは机に向かってしまっていそうだなって思って。


「…どうした?」

「……おやすみ」


質問には答えずに、つかんだ右手にだけ力を込めた。


秀ちゃんの勉強の邪魔だけはしちゃいけない、
そうやって前に決めたことだったのに、
イイ子でいられなくてごめんね、なんて。

もう、ポンポンというリズムは感じられないけど、
確かに繋がれている感触を再確認して、ゆっくり瞳を閉じた。
























テニラビの大石ボイスに萌えすぎて書いた。

前半パート、涼しい顔してても途中から集中できなくなって
誤植増えまくってるのがポイントです(笑)


2019/06/06