* 狭間で生きる僕たちは *












涙がボロボロの状態で目が覚めた。



何か悪い夢でも見ていたらしい。
ぼやぼやと目を擦りながら上半身を起こした。


…そうだ。
秀と別れる夢だった。

恋人と別れる夢、
何かを暗示してるって夢占いで見たことあったな。
あとで調べてみようか。



…ぽろり。

ぽろり。


まばたきを繰り返してたら目に溜まってた露がこぼれた。



どうしてとかどうやってとか詳細までは憶えてないけど、
悲しい感じだけは憶えてる。


私、秀と別れたらこんなに悲しい気持ちになるんだ。
改めて思い知った。
まさか夢で予行演習できてしまうなんて。

じゃない、予行とかじゃなくて、
そうなりたくないなって全力で思った。


秀、おはよう。
会ったらいつも通りの笑顔で笑えるかな?

不安そうな顔してたら、秀は気付くかもな、
もしそうなったら、悲しい夢を見ちゃったんだよって話そうか。

そしたら笑って要らない心配だよって言ってくれるかな、
それとも真顔になって「そのことなんだけど」って言い出したらどうしよう。



夢の詳細は思い出せないけど
感情だけは鮮明に思い出せる。


…ああやっぱり、

私は秀と別れることが何よりも不安なんだなぁ。






















これは『大人になる決意をする日』と『子供だった私たちに別れを告げて』の続編で
夢オチですよってのでもいいし、
実はこっちが前編でフラグでしたってのも面白いww(←こら)

実際は、こっちが続きだけど、
続編ではなくアナザーストーリーという形で思いついたのが正解。

夢の内容って思い出せないけど、
こんな気持ちになったって感情だけ残るときあるよね、
記憶と感情は脳みその違う部分が司ってるのだとわかるねぇ。(理系)

本当は2016/01/22に書きあがってたんだけどリストから漏れてたので
少し修正加えて今日完成作として上げる…よくやる(笑)


2019/04/30