* 現実的思考と楽天家 *












それは、友人と授業中に筆談していたときのことです。


 『二人、絶対両想いだと思うなv』


そんなことを書いてきよった、我が親友。

言葉を交わさぬ会話は続く。


 『そんなバナナ!(古)何故にそう思うのさ!?』

 『だって、よく喋ってるし仲良いじゃん?』


…まあ、そういって頂けると嬉しいけれど。


 『仲が良いのとラブは違うのよ』

 『だって、向こうから良くちょっかいとか出してるじゃない』

 『それは初対面から変わりません。チビだから馬鹿にしてるのよ!』


そうそう。

思い起こすが何年目。(?)


あの人は、編入して間もない私に、

突然悪口を言ってくるわ、

前触れもなく殴ってくるわ、

とにかく舐められているとしか思えない。

当時は本気の苛めかと思ってたし…。


 『愛情表現ですよ。好きな子ほど構いたいって』

 『だって前から変わらないんだよ〜?』


返事が来るまで、少しの間。

黒板を写して、意見まで述べて。

飽く迄も優等生ぶって授業に参加。


先生が板書を始めた瞬間、机に回ってくる紙。



  『じゃあ、向こうは初対面から好きだったんだv(ウフフ)』



ウフフじゃねぇよ!

と紙を破きたくなったことはさておき。

…本当にそうだったら、幸せですけどね。


 『でもやっぱり、からかわれてるだけだと思うな』


そう書いた紙が友人に渡ったところで、授業は終わった。


 両想い? 私とアイツが? …まっさかー。

 だけどもし、本当にそうだったら…?


そんな楽天的な希望と、現実的な思考が渦を巻く。

グルグルとした気持ちの時、偶然にも私の前に現れたその人。


不意に目が合ったのを、不自然にも逸らしてしまう。

不自然かなと思って視線を戻すと、また目が合う。

焦ってもう一度視線を逸らすと、私は親友の元へ駆け寄った。


「何アイコンタクトしてんの」

「違うって!!」


否定しながらも後ろを振り返る。

後ろ姿が見えた。


本当に貴方の瞳に映るのは、誰だろう。

思いながら、また彼に背を向けた。























いつも背中を見てること、気付いてるのでしょうか。


2003/05/15