* 自然会話 *
「なあ、今日宿題やってきたか?」
「うん、もちろん」
「俺に写させる気ねぇ?」
「ない」
「そうかよ」
前の席からこっちを振り返って言う貴方。
先日までは、そこまで意識することもなかったのに。
今は、近くに居るだけでドキドキしてしまう。
そんなに自分に苦笑しつつも、こんな空間が心地好かったり。
「でもね、そこまで難しくなかったよ」
「あー…じゃあ今やろうかな」
「だけど時間は掛かった」
「…何だよそれ」
「面倒臭い問題なの」
普段は、男子と話なんてそんなにしない私。
それなのに、貴方とならこんなに会話が弾んでしまうのは、何故でしょう。
心臓の鼓動が邪魔してくるのに、
自然に話せるのは何故でしょう。
一緒に話しているうちに。
貴方の笑顔を見ているうちに。
自然と答えは見えていた。
貴方だから、だ。
緊張している心よりも、
楽しい気持ちが先を行くから。
だから、貴方とだと自然に会話が出来るんだ――
ということに、今はとりあえずしておきます。
何故か自然体になれるんです。
(何気なく『転んだ』の続きっぽいです)
2003/05/07