* 幼い僕ら *
体を合わせるのは、何回になったっけ?
付き合い始めて、何度この日を越えてきたっけ?
「しゅう、いちろ…」
「」
今日は4月30日。時間は真夜中の11時半。
もう少しで終わる、貴方の誕生日。
付き合い始めた頃、私達はまだ中学生で。
何も知らない、コドモだった。
それから、もう5年が過ぎている。
色々なことがあった。
色々なことを知った。
色々なことを越えて、私達は大きくなった。
初めて体を合わせた日のことを思い出す。
忘れもしない、貴方の誕生日。
付き合い始めてから、初めてのその日だった。
私達は、自分たちが思っているほど大人じゃなくて。
だからといって、甘えられるほど子供じゃなくて。
稚拙ながらも、本能の働くがままに任せて。
相手を求めて。
快楽を求めて。
果てを求めて――。
「…綺麗だよ」
「んっ…」
合わせられる唇は、とても熱くって。
貪るように絡め取られる舌は、蕩けるようで。
あの頃から、何も変わっていやしない。
私達は、どれほど大人になったの?
私達は、どれほど変わることが出来たの?
貴方を感じる。
全てを感じる。
気持ち良い。
キモチイイ。
好き。
スキ。
大好き。
ダイスキ。
愛してる。
アイシテル。
「あっ、そこ……やっ」
「は、ここが感じるんだよな」
「イジワル…あ、あぁぁ!」
私の中で、暴れまわる手。
何度目になっても、慣れない。
不快感にも似ている、極度の快感。
「あっあっ、秀一郎、やぁっ!!」
「、可愛いよ」
「もういいから…っ!早く……」
「早く、なに?」
涙で歪んだ視線の先に、貴方が見える。
合わない焦点彷徨わせたまま、言った。
「早く…一緒に、なりたい」
「…了解」
侵入してきた貴方は、やはり熱くって。
自分もそうなのかな、と思ってみた。
境界線なんて、要らない。
溶け込んで、貴方と一つになりたい。
一つに、して。
「あっ!しゅういちろ…も、ダメぇっ!!」
「、俺も…っ」
達した瞬間、それは快楽への扉。
何も考えられない。
あるのは快感だけ。
だけど胸の内から消えない、疑問がある。
「ねぇ、秀一郎…」
「なに?」
「私達、大人になれるかな…」
私の質問に、秀一郎は顔を顰めて。
でも、すぐに笑顔になった。
「なれるよ」
落とされたキスは、甘ったるい味がした。
昔の子供のキスとは違う、少し大人のキス。
やっぱり、変わってるのかな。
カレンダーと時計を見合わせ、小さく溜め息を吐いた。
今日、私の一つ先へ行く貴方へ贈る。
Happy Birthday...
いやぁ、やっぱり誕生日には裏夢がやってくるものなのね!(こら)
なんかリアルタイムでやってる気分。
ただいま日本は午後11時47分だと思われ。
テーマは、年を取っても失われない幼さ、です。
設定を20歳にしてみたんですが。
現実に居たら20歳だしな、大石。
ポエムチックにしてみた。
裏々の夢では初かな。
2003/04/30