* かごめかごめ *
「かーごめかごめ…」
「……」
何が楽しくて、私は中学生男子と
かごめかごめなんてやってるんでしょう。
手を繋いで一人の周りを、ぐるぐる、グルグル。
言い出したのは、確か菊丸。
唯今、青学3年は修学旅行中なのです。
さっきまでキャンプファイヤーをやってました。
マイムマイムをやったりして、結構盛り上がった。
そうしたら、そのノリで菊丸が「やろーよー!」って。
テニス部のメンバー集めて、輪になってます。
正直言ってアホみたいです…。
私はただのマネージャーだけど、
無理矢理誘われて、輪に加わっています。
「「後ろの正面だーれ」」
「えっと…多分、不二かにゃ?」
「あ、分かっちゃった?」
「ラッキー♪オレってば冴えてるぅ!」
そうして、私の隣に居た不二の手が離されて、
変わりに菊丸が入ってきた。
「えっへへ、宜しくにゃ♪」
「うん」
「実はさ、これ君と手を繋ぎたくて考えたんだよね」
「え?」
はえ?
それって、つまり…。
「なんだ菊丸、それが目的だったのか」
「何言ってんの手塚、お前だって手繋げて嬉しいくせに!」
戸惑っていると、私の反対側の手に掴まっている手塚が話しに入ってきた。
眉間の皺が綻んでいるように見えるのは、気の所為ですか?
ぐるぐる回っているうちに、私も真ん中に入る破目に。
あーあ、これ嫌いなんだけどなぁ…。
「「後ろの正面だーれ?」」
……ん?
全然分かりません…。
どうしましょ、どうしましょ。
分からないときは、悩んでもしょうがない。
…好きな人の名前でも、言ってみましょう。
「えっと、乾…君?」
「アタリ」
「……えっ!?」
「じゃあ交代」
「……」
どうしましょ、本当に当たっちゃいましたよ。
周りに回っている人は、5人。
5分の1の確率。
大した物じゃないのかも知れないけれど。
――もしかして、これって運命?
なんて、思ってしまうのだった。
手を繋いで、ぐるぐる回る。
凄く子供な遊びだけど。
こんなにドキドキするだなんて、知らなかった。
もしかして、
貴方のことだったら、
何万人のうちの一人だって、
当てられるのかもしれないな、なんて。
無理矢理くさい展開万歳。
(日記には続編のBL交じりな悲恋ギャグがあったり。笑)
2003/04/14