私の幼馴染であり、恋人でもある
周ちゃんの誕生日は、2月29日。

しかし何度確かめても、今年の2月のカレンダーは
28までしか存在しない。


…どうしよっかな。











  * ギムノカリキウム *












えーと、今まではどうしてたっけ。
この4年に一度しかない誕生日。
確か去年は…3月1日にお祝いした。
一昨年は…2月28日だった。
その前は…2月29日があった。
そのまた前は…ああ、憶えてない。
どうしようかな…。

私と周ちゃんは、一応恋人同士…という仲だ。
ちなみに親同士も公認。
幼馴染で、いつも一緒で。
いつも仲良くやっていた。
私は一方的に恋愛感情を抱いてると思ったら…向こうから告白してくれた。
しかも、私の誕生日に。
そういえば、今回は私達が付き合い始めてから始めての誕生日。
といっても、本当の誕生日にはなってくれないけれど。
でも、一応初めての誕生日には…特別なことしたい。
出来れば、本当の誕生日に…。

「ねぇ周ちゃん」
「なに、
「今日の夜、周ちゃんの家に行きたい」
「――」

言うと、周ちゃんは固まった後苦笑した。

、それはいくらなんでも…」
「いいじゃん。昔も良くお泊り会したし!」

私の発言に対し、周ちゃんは優しく抱き締めてきた。
でも、口からは肯定の言葉は出て来そうに無い。

、もう僕達は子供のころとは違うんだよ」
「いいから」

私はぎゅっと力を込めて抱き返した。
お願い、って周ちゃんの胸に顔を埋めて呟いた。
そうしたら…。

「…それじゃあ、母さんに頼んでおくね」

そう言って、おでこにキスしてくれた。




   **




「お邪魔しまーす」

結局、私は不二家にやってきた。
お泊り様の荷物も持って。

「いらっしゃい」
「こんにちは、おばさん」
「今日はゆっくりしてってね」
「ありがとうございます」

話しているうちに上からやってきた周ちゃんと一緒に、
私は二階へ上がった。

何度も来ているはずなのに、
何故か今日は少し緊張してしまう。

「あら、ちゃん」
「由美子さん、こんにちは」
「今夜泊まってくの?」
「そのつもりです」
「それじゃ、またお話しましょうね」
「あ、はい…」

部屋から廊下へ顔を出した由美子さん。
私は、それに笑顔で対応した。
最後のほうは、少し引き攣ってしまったのが自分で分かったけど。

話すのもいいけど…やっぱり、
今日は誕生日だし…。



「あ、はいっ!」
「なんで突然“はい”なの」

周ちゃんはクスっと笑った。
何やってんだ、私…。



周ちゃんの部屋は、相変わらず綺麗に片付いてる。
私の部屋より…綺麗かも。

、見て」
「ん、なに?」

ちょいちょいと招かれるがままに窓辺に寄ると、
そこには沢山のサボテンが。

「あー、みんな元気に育ってるね!」
「毎朝眺めるのが日課なんだ」
「へー…」

そういえば、前から好きだったよね、サボテン。
家に来るたびに見せてもらったなぁ…。
何種類か名前も覚えたし。

メロカクタス、ロビビア、ギムノカリキウム。

私はそのギムノカリキウムの中の、緋牡丹が好き。
一本の根元に対して、さきっぽにちょこんと花みたいなものが乗ってるの。
可愛い感じがして、お気に入りなんだ。

「そうだ、
「なーに?」
「サボテンにね、全部名前が付いてるんだよ」
「へー…」

私は首を傾けて鉢を覗き込んだ。
すると、全てに名前が書いてあった。

「ユミコ…ユウタ…エイジ…テヅカ…なにこれ、
 人の名前ばっかじゃない!」
「バレた?それじゃ、これの名前は」
「えっと…」

私は、指を差されたサボテンの鉢を見た。
私の好きな、緋牡丹。
その鉢に書かれた名前は…。


「――」




そう、書いてあった。


「…どう?」
「いや、なんていうか…嬉しいかも」
「良かった」

周ちゃんは、ふっと笑った。
その小さな鉢を手に取ると、
愛しそうな眼差しで見つめながら言った。

…サボテンの花言葉知ってる?」
「ううん、知らない」

私は首を横に振った。
すると、周ちゃんは優しい笑顔で言った。


「内気な乙女、暖かい心、秘めた熱情…」


緋牡丹の鉢を差し出してきながら、周ちゃんは言った。

「君に、この言葉を捧げるよ…」
「そんな…」

でも…確かに私の今の心境に似てるかも。
そう思ってなんとなく笑ってしまった。

私…ちょっと内気だし。
それに…周ちゃんのこと思うと、心が暖かくなるんだ。

そして、心の奥に秘めるのは熱い愛情。


でも…私もこのサボテンの花みたいに、
可愛く、でも強く生きられるかな、なんて考えてみた。



   **



「わ、豪華な夕食ですね!」
「一応、周助の誕生日だからね」
「一応ね」

食の間についてみると、それはそれは凄い食事!
美味しそうな料理がたっくさん!
私はその光景に目をパチクリしていた。

「それじゃあ食べましょうか」
「「頂きます」」

4人での食事。
なんだか、家族の一員になれたみたいで嬉しいな。

「周ちゃん、お誕生日おめでとう」
「ありがとう」

そう言って、コップ同士をカツンと当てた。


「そうそう、デザートにアップルパイも作ってあるから」
「由美子姉さん、シナモンは?」
「多めでしょ」
「ご名答」

そのやり取りを見ていて、兄弟っていいなって思った。
私は一人っ子だからさ。
まあ、だからどうって訳じゃないんだけど…。

考えていると、由美子さんがこっちを見て微笑みながら言った。

「いつか、ちゃんが私の義妹になる日がくるのかしらね」
「…え、えぇ〜!?」
「由美子姉さんも、いい人見つけなよ」
「余計なお世話よ」

い、今の発言って…。
そういう風にとっていいん…だよね?
あわわ;そんなそんな…。

私が下を向いていると、
おばさんが言ってきた。

「そうね、ちゃんがうちの家族の一員になってくれるのも、
 そう遠くは無いかもね」
「おばさんまで…」

赤くなってしまう私。
食卓は温かい笑いに包まれた。



   **



「美味しかったね」
「うん、そうだね」

夕食を終えた私達。
今は、周ちゃんの部屋に居る。
肩を寄り添えて、座ってるだけ。
それだけだけど、凄く幸せ。

それだけでも、幸せなんだけど。


「…ね、周ちゃん」
「なに、?」
「周ちゃんっていつも何時頃まで起きてる?」
「うーん、日によるけど…11時ぐらいかなぁ」
「そっか…」

11時かぁ…。
微妙だなぁ。
どうしよう、今言ったほうがいいのか言わないほうがいいのか…。

「どうして?」
「いや、なんでもないなんでもない!」
「そう?」

私は手を横に振って誤魔化した。
周ちゃんはなんだか不思議そうな顔をしていた。

…やっぱり、言えないよ。


今以上の幸せを、求めてるなんて……。





「お先〜」
「じゃあ、次入ったら」
「あ、うん。ありがとう…」

由美子さんと入れ違いで、私はお風呂に入ることになった。
まだ、何も言い出せないまま…。

なんとなく落ち着かない気持ちのまま、お風呂も出て。
私は由美子さんの部屋で寝ることになった。




「ね、ちゃん。やっぱりお話してから寝る?」
「そう…ですね」
「なに話そっか〜」

布団から顔だけを出した状態でする会話。
私の意識は、違うところ。

今日も…何も無いまま、終わっちゃうのかな。
折角の、誕生日なのに…。


「で、どこまでいったの?」
「…え!?」
「しゅ・う・す・け・とv」

由美子さんの声で、私は現実に引き戻された。
どこまでいったって…それは、つまり、その!?

「あ、あののの…」
「あはは!冗談よ冗談。赤くなっちゃって、カワイーv」
「………」

私は、下を向くことしか出来なかった。
だって…ねぇ?
でも、私こんなので平気かな…。

「でもキスぐらいはしたでしょ〜?」
「はい、いちぉぅ…」

だんだん小声になってしまう。
だって、人に…しかも姉である由美子さんにこんなこと話すなんて、
恥ずかしいよ!!

「…でもそこどまりって感じでしょ?」
「……はぃ」
「ああ見えて周助は奥手だからねー…」

由美子さんはクスっと笑った。
こういうこと平気で話せちゃうって…。
やっぱりこの兄弟は凄い、と思った。

「でも…それだけ大切にされてるってことよ、ちゃん」
「はあ…」

大切にされてるのか。
私…。

でも、少しぐらいは、邪険に扱われたって、良いって思ってしまうのは、
間違った感情、なのかなぁ……。

「ま、今日はこのぐらいにして、寝よっか」
「そうですね」

電気を消して、私達は寝る体勢に入った。
時刻は、10:30。

……あと、一時間半。



   **



「………」

どれぐらいの時間が経ったのだろう。
辺りは、完全な静寂に包まれている。

こっそりと布団を抜け出し、自分の服のポケットに入っている
腕時計を取り出した。
月明かりにさらしてみると、12時の10分前を指していた。

そろそろ、だ。

心臓が、ドキンとなったのを感じた。


寝ていたら、帰ってこよう。
ノックして返事がなかったら、何もなかったことにしよう。

だから……。


『キィ…』


由美子さんの一定の調子で聞こえてくる寝息を確認して、
そっと、部屋を抜け出した。





『ヒタ…ヒタ…』

他人の家、夜中になにやってるんだろう…と思ったけど、
私は忍び足で廊下を歩いた。
そして、辿り着く。

周ちゃんの部屋。

「………」

足を止めて、ドアの方向を向いて。
少し、躊躇う。
本当にいいのか。
最後にもう一度自分に問い掛ける。

大丈夫。決心したから。


一回大きく深呼吸すると、私はドアをノックした。


『コンコン』

「……」

返事は、なかった。

「…周ちゃん?」

消えそうなぐらい小さな声で問い掛けてみた。
でもやっぱり、返事はない。

…寝てるんだ。

そう思って、私は複雑な気持ちでそこを後にしようとした。
その時。


『カチャ』

「――」
「…?」


部屋の中から、周ちゃんが顔を覗かせた。
私は、もう諦めかけていたので、
咄嗟に言葉が出てこなかった。
何も言えずにパチパチ瞬きばかりしていると、
周ちゃんがドアを大きく開けた。


「入りなよ」




   **




私は周ちゃんの部屋に入った。
月明かりがブラインドの隙間から差し込んできて、
神秘的な明るさ。
その薄暗さの中、ベッドに二人並んで腰掛ける。

「…どうしたの、こんな時間に」
「あの…もうすぐ、周ちゃんの誕生日だと思ったから」
「?」

私の言葉には、案の定首を傾げているようだった。

「何言ってるの、。今日が僕の誕生日の代わりだったじゃない」
「でもっ!」

私は意気込んで言った。
体制を変えると、ベッドがキシ、と軽い音をたてた。


「本当の誕生日じゃ、ない…!」


暗さに慣れている目。
微かな月明かりだけど、周ちゃんの顔は見えた。
驚いて、戸惑っている感じだった。

「だって、今年は29日がないから…」
「私が作るの!」

そんな、強引な答えをした。
時計を見た。
見難かったけど、もうすぐ短い針と長い針が重なろうというところだった。

「周ちゃんの誕生日は…28日から1日に架けて」
「……」

私は立ち上がって周ちゃんの正面に回り込んだ。
そして、抱き付きながら言った。


「私のプレゼントは、一夜越し!」
…」
「私を…貰って、下サイ」


胸に顔を埋めて言った。
周ちゃんの胸の中、温かい。
温かすぎて、涙が伝った。

、それって、つまり…」
「泊まるって言ったときから、そう決めてた」
「…本気なのかい」
「決心、したんだ」

周ちゃんの体から離れた。
ベッドに腰掛けている周ちゃん。
いつもとは逆で、私が少し見下げている。



「誕生日プレゼント、受け取ってください」


『カチ…』



時計の針が、動いた音が耳に響いた。
直後、周ちゃんは口を開いた。

「有り難く…受け取らせていただきます」

そう言うと、引き寄せられて、キスされた。
熱い、熱いキス――。

今まで、軽く触れる程度のものしかしてくれなかった。
キスが、こんなに苦しくて、こんなに切なくて、
こんなに幸せなものだなんて…初めて知った。


「周ちゃん…」
「ここまで来たら、もうイヤだとは言わせないよ」
「…言わないよ」

周ちゃんの背中に腕を回した。
温かくて、心地好い空間。

「無理なことはしないようにするから」
「大丈夫。誕生日プレゼントだから、好きにしちゃってよ」

言うと、周ちゃんは額にコツンと拳を当ててきた。

「折角の誕生日プレゼントだから、大切にするの」
「…有り難う御座います」


笑い合って、もう一度キスをした。
熱くて、深いキス――。


「んっ……ふ…」

中に舌が進入してくる。
初めてのことに、どうしていいのか分からず戸惑っていると、
向こうから絡み付いてきた。
その甘いような苦しい感覚に、
脳が痺れるような感触を覚える。

いつの間にか目は閉じられていて、
その感触を味わっている自分に気付いた。

「ぁ、ハァ……」

口を離すと、少し息が切れていた。
それは、口を塞がれていたという理由の他に、
胸が締め付けられるような切なさがあると思う。

「いい、ボタン外して」
「いいよ…好きにして」

周ちゃんは、私のパジャマのボタンに手を掛けた。
寝るときには下着を着けていないから、そのまま胸が露になった。
私の胸…こんなぺっちゃんこで、恥ずかしいな…と思ってたら。
行き成り、周ちゃんは片方を手で掴むと
もう片方を口で咥えてきた。

「あ、ふぁ……」


何でこんな声が出るの…!
でも、止められない。
ざらりと舌が肌を舐め上げるたび、
鳥肌が立つような不快感。
気持ち良すぎる、不快感。
ストレートに言うと、快感。

「周、ちゃ…ん」
…可愛いよ」
「やだ、ぁ、んんっ!」

甘噛みされると、意識を失いそうになる。
声を抑えなきゃって思うのに、
そんな余裕が無いほどに陶酔してる。

舐められる場所が次第に移ってきて、
身体中に痕を付けられていく。

「これ…予約の印だよ」
「んっ…」
は、僕のものだって」

言いながら、周ちゃんは赤い花を私の身体中に咲かせていく。
意識がボーっとするけど、幸せだ、と思う。

好きな人に。
誕生日に。
自分の一番大切なものを捧げることが出来た。

、脱がすよ」
「分かった…」

下も、全て取り払われる。
覚悟はしていたものの、いざそうなってみると恥ずかしくって
私は顔を手で覆った。

「…どうしたの、
「や、なんか…恥ずかしぃ…」
「………」
「ひやっ!」

周ちゃんは、私の敏感な部分を舐めてきた。
突然のことに、身体がビクッと跳ねる。
思いがけず大きな声が洩れる。

「恥ずかしいとか…言ってる余裕もなくなるよ」
「な、に…あ、やぁぁっ!」

中心を、何度も舐められる。
その度に、意識がどうにかなっちゃいそう。
頭の中に星が回ってるみたいに、錯乱している。

のココ…凄いよ。洪水みたいに舐めても舐めても溢れてくる」
「ヤダ、あ、ぁあっ!」

全身がゾクゾクする。
足が震えているのが自分で分かる。

頭を殴られたみたいに、意識が飛びそうになる。
下は、痛くないはずに逃げたくなるような、変な感触。
これが…快感っていうの?

舌でなぞられる度に、身体が拒否反応を起こす。
逃げよう、逃げようとしてしまう。

…どうして逃げるの?」
「分、かんない…っ身体が、勝手に…」
「…気持ちイイ?」

頭の中がぐるぐると渦巻いてる。
気持ち良いのか悪いのか、考える余裕なんて無い。
でも、きっと……。

「…キモチ、イイ」
「良かった…」

止めてほしくないと思うのだから、そうなのだと思う。
はっきりとした答えは、見つからないままだけど。

、指入れるよ」
「うん……」

静かに頷くと、指がソコに当てられた。
少し、ヒンヤリとした感触。
その先端が、ヌプッと中に入ってくる。

「ふわ、あ、ああぁっ!」
「大丈夫…?」
「だい、じょ、ぶ…っ!」

息が上がる。
全身に力が入る。
ソコの部分に熱が集まっていく。

……痛い。

「ぁ…う、うぅ…」
「どうしたの、。痛い?」
「平気、だから…んっ」

そんな負け惜しみを言いながら、
私は自分の親指を強く噛んでいた。痛みと戦って。

「ごめんね…慣らしておかないと、まずいと思って…」
「謝らない、で…」
「――」

私は、涙で溢れた眼を開いて、周ちゃんのことを真っ直ぐ見た。


「誕生日プレゼントだから、好きにしてやって、ください…」


驚いた顔をした周ちゃんは、直後指を増やしてきた。
また、中で暴れ出す。

「あ、あああっ」
「少しだけ、我慢してね…」
「周ちゃん、ふぁ、んんっ」

力を抜こうとすればするほど、
逆に余分な力が加わってしまう。
周ちゃんの指を強く咥え込んで、私は感じた。

「あ、ソコっ…や、やぁぁっ!」
「ココ、感じるの…?」
「ヤメテ、ふ…もう、あぁっ!!」




 私は貴方の誕生日プレゼント。

 だから好きにしてください。


 感じてください。

 犯してください。

 狂おしいほどに愛してください。


 他には何もいらないから。

 ただそれだけを考えてください。


 それが本当の願い。


 プレゼントという名の願いを

 叶えてやってください―――。




「周ちゃ……ひゃうっ!」


指が一点を強く刺激した瞬間、
私の意識は、遂に飛んだ。




   **




『チュンチュン』

「……あれ?」


私……。
ここ、どこ?
…周ちゃんの部屋。

……あっ!


「…周ちゃん!」

周ちゃんは、壁に寄り掛かって座っていた。
私は自分が周ちゃんのベッドの中に居ることに気付いた。
周ちゃんは、にこりと笑うと言った。

「お目覚めかい、僕の大切な誕生日プレゼント」
「ぁ……」

その瞬間、全てを思い出した。
昨晩のこと。

「あの、周ちゃん…私……」
「ゴメンね。なんか、意識を失わせちゃったみたいで」
「そっか…」

そう。私は途中で意識を失ってしまったんだ。
一箇所で記憶がプツンと切れてる。


「誕生日…プレゼントのはずが…」


大失敗だ〜!!

どうしよう…あんな気合入れたのに…。
恥ずかしい……。
周ちゃんになんて顔向けすれば…。



「ありがとう」

「――」



え?

周ちゃん、今なんて…。


「なんて、言った…?」
「だから、『ありがとう』って」
「どう、して…?」

だって、私、
あんな中途半端で……。


「ん?だって、こんなに素敵な誕生日プレゼントを頂けたんだもの」


そう言うと、周ちゃんは私に抱き付いてきた。
ぎゅっと締め付けられる。
息がしにくい。
苦しいけど、それ以上に嬉しい。
嬉しい……。


「ごめんね…周ちゃんを満足させてあげられなくて…」
「何言ってるの。と一緒に居られれば、僕は満足だよ」

チュッと頬にキスされた。
体を離すと、周ちゃんはにこっと笑った。


「続きは、またのお楽しみだね」


自然と、笑顔が重なった。

こんな私だけど、愛してくれる。
本当に本当に嬉しい。

幸せだ、私…。


なんとなく窓際を見た。
ブラインドの隙間から朝日が差し込んできてる。
サボテンたち、今日も元気に見える。
私の名前を付けられた緋牡丹を見て、和んでいると、
周ちゃんは言ってきた。

「そうだ、
「なに?」
「サボテンにね、もう一つ花言葉があるんだ」


周ちゃんは、耳元で呟いてきた。



 『変わらない想い』



私の今の心境にピッタリで、何故か笑ってしまった。






















恐ろしく中途半端!(涙)
こんな中途半端なの久しぶりだ…。
時間ない時に書くと、ダメだね。
でも最後までいかなかったのは時間がなかったからじゃないです!
一応初めからそのつもりで書いてました。
終わってみたら中途半端だったけど。失敗作だぁ;(涙)

次はもっとしっかりしたの書きたいなぁ。
同じ設定で続編とかやろうかな。やらないかも。(どっち)

とにかく不二先輩へ。お誕生日おめでとうございます!!


2003/02/28