* 自己流愛情表現 *












「…越前」
「なんスか、部長?」

二人で歩く道の中、手塚がリョーマに問い掛けた。
リョーマが不思議そうに見上げるのに対し、手塚は言う。

「アメリカのバレンタインデーというのは、どういうものなんだ?」
「そうっスね…あんまり変わんないんじゃないスか?
 チョコとかだけじゃなくて、色々な物を送りましたよ」
「送った?」
「なんか…小学校の頃とか、クラス全員に配らせられました…」
「そうか……」

そこで一旦会話が途切れ、二人の間に沈黙が生まれた。
シーンとした中、お互いの足音だけが聞こえる。
暫くして、手塚が口を開いた。

「国や文化など、関係ない」
「…へ?」

リョーマが不思議そうな顔をするのと同時、
手塚の唇は、リョーマのそれに舞い降りた。

「――部長っ!?」
「俺は俺なりに表現させてもらう」

今のが、俺からのバレンタインのプレゼントだ、
手塚はそう言った。
リョーマは、驚きつつもとても嬉しいのだった。

お互いに自然と笑顔が浮かんだ。
少し寒い中、白い息を吐きながら、
二人は静かに同じ道を歩んでいくのだった。






















ほのぼのと塚リョ。
なんだかクリスマスのときと内容が被ってしまった。

バレンタイン企画にもれてしまったけど
最終的にメールに書いてしまったよSSパート1。
突発でやったので纏まっていないことが良くわかるかと。(いつもか)

ハッピーバレンタインだよ全く。幸せにやってくれぃ。


2003/02/14