私の彼氏は、3つ年下。

すっごく生意気なんだけど、でもかっこいいんです。

私の…王子様なんだ。











  * 私の王子様 *












「ねぇリョーマ、24日の夜空いてる?」

誘ったのは、私。
だって、向こうからは全然誘ってくれないんだもん。

「うん。空いてるけど?」
「じゃさ、一緒に広場のイルミネーション見に行こ〜vv」
「分かった」

……本当は、私の狙いはイルミネーションだけじゃないのです。
実は、色々と考えてたりする。
24日、クリスマスイブは勝負の時!






「お待たせ!」
「別に、全然待ってない」

当日、私は約束に10分遅れてしまった。
リョーマはねぼすけだけど約束に遅れたことはない。
今日も、きっと時間ピッタリかそれより前には来ていたはずだ。
赤い頬が、長い時間待って冷えてしまったことを表す。

「それじゃ、行こっか」

二人肩を並べて歩き出す。
肩を並べて…っていっても、まだリョーマのほうが私より背が小さい。
私は決して背は高い方じゃないけど…でも平均並にはある。
彼女より背が高いって、リョーマとしてはどうなんだろう…。
やっぱり、嫌なのかなあ…。

私は底が高いブーツとかは履かないって決めてるんだ。
別に、リョーマのこと子供扱いしてるとかじゃないけど。
寧ろ精神的にはリョーマのほうが大人な部分、あると思うし…。

まあ、それはさておき。
今日私は、腹をくくった。
勝負、します。

「ねぇリョーマ」
「ん、なに?」
「これ見終わったら行きたいところがあるんだけど…いい?」
「別にいいけど」
「じゃ、約束ね」

そういって、私はリョーマの手を掴んだ。
すると、少し恥ずかしがって顔を背けたけど、
手はぎゅっと握り返してくれた。

こんな些細なことで、自分って幸せだなあとか思っちゃうんだよね。
でも、やっぱりもっと大きなことを求めてしまうわけで…。



「「わぁ…」」

広場についてツリーを見て、二人の声が見事にハモった。
視界に入ったのは、それはそれは大きなクリスマスツリー。
ライトが綺麗に輝いていて、沢山の飾りが掛かっていた。

「綺麗…だね」
「うん」

その美しいな光景に、私たちは暫く固まっていた。
辺りからはシャンシャンと鈴の音が聞こえてきた、いかにもクリスマスという風だった。

「リョーマと一緒に、見れて良かった」
「俺も、だよ」

そういうと、大胆なことにリョーマは沢山の人が居る中、
私にキスしてくれた。

冷えた外気とは正反対で、繋がった唇はとっても熱かった。
数人がこっちを見てきているのは分かったけど、
恥ずかしさとかより、嬉しい気持ちで一杯で。
私はとろんと目を閉じて、その時間を堪能していた。


繋がっている、幸せ。

それを、もっともっと深く感じたくなったんだ。



「リョーマ…」
「ん?」

口が離された後、顔が近いままの状態で、
私はリョーマに言った。

「さっき約束した場所、いこ?」
「…うん」

また手を握りなおして、歩き始めた。


手と手の繋がり。

口と口の繋がり。


そして………。




  **




「…ねぇ」
「なに?」
「ここって…の家じゃん」
「あったり〜♪」
「……?」
「ま、気にせず入った入った」

そう。
来てほしかったというのは…私の家。
鍵を開けていると、リョーマは不思議そうな顔をした。
それを他所に、私は背中を押して無理矢理中に入れさせた。


電気は点いていない。
真っ暗の部屋の、ライトのスイッチを入れる。
どうってことのない、家の風景。
ただ、静けさだけが辺りを包む。

「とりあえず、私の部屋行こっか」

辺りをキョロキョロと見回すリョーマに一言声を掛け、
私達は私の部屋に進んだ。


やはり、暗い部屋。
ライトをパチっと点けると、途端に明るさが増す。

私はベッドに座り、リョーマも座るように急かした。
コートを脱いで、床に無造作に置く。

「綺麗だったね、ツリー」
「うん…」

返事をしながら、リョーマは遠慮がちにゆっくりとベッドに座った。
いつもは了承も取らずにどっかり座っちゃうくせに、らしくない。

……向こうも、
それなりに意識してるのかな…?

「また来年も、一緒に見に行けるといいね」
!」
「…なに?」

私がリョーマに微笑みかけると、
リョーマは突然顔をガバッと上げた。
少し、焦った風な表情で。

「ちょっと訊きたいんだけど…もしかして、この家って…」
「うん。親は旅行に出掛けちゃった」
「つまり…」
「私とリョーマだけ」

やっぱり、と、リョーマは額に手を当てた。

「ねぇ、って考えないの?」
「なにが?」
「だから、男と二人っきりとか………!?」

リョーマは、こっちを見た瞬間口を一文字にして目を見開いていた。
額に当てられていた手は、宙に浮いたまま中途半端な状態で止まっている。
固まったまま、私のことを凝視し続けた。
信じられないという風に、2回わざとらしく瞬きをした。

リョーマが固まるのも無理はない。
私の今の状態というのは、スカートに、
キャミソールと下着一枚だった。

「……?」
「ん?」
「なに、やってるの…?」

自分からやったことなのに、私は少し恥ずかしくなって下を向いた。
無意識に、指を弄くる。
自分でも分かってる、焦ってるときの癖。
下を向いたまま、話を始めた。

「今日さ、クリスマスじゃん?」
「…うん」
「リョーマの誕生日でもあるよね?」
「あ、うん…」
「だから、さ」

私は、ベッドに仰向けに倒れこんだ。


そう。
私の、勝負というのは、



 「誕生日プレゼントに、ワタシをあげる――」




好きな人に、自分自身を捧げるということだった。



「ちょ、ちょっと待ってよ!」
「……私なんかとやるの、嫌だ?」
「嫌っていうか…」

リョーマは、私から視線を背けた。
そのリョーマに、私は語るように喋り始めた。

「――私、考えてたんだ」
「……」
「リョーマって、私より3つも年下じゃん?」
「……うん」
「やっぱりさ、年の差感じることとか、ある?」
「…別に、じゃん」
「そっか……」

リョーマの言葉は、嬉しかった。
でも、自分がどう思っているかというと…。

「私は…たまに感じる」
「………」
「隣に立ってる筈なのに…違う世界に居るみたいな」
「……」
「リョーマ…」

自分が涙声になってきている気がした。
それもそのはず、私の目の端には涙が溜まってきていた。

「不安…なんだよ」
「……」
「学校だって、中等部と高等部で違って会うことも少ないし」
「……」
「不安、消して…?」

リョーマはずっと固まったままでいた。
ただ私の目を見て、何をしていいのか分からないで居るみたいだった。

私は息を一つ吐いて、話を続けた。

「早過ぎるかな、とも思ったけど…クリスマスだし、リョーマの誕生日だし…
 親は旅行で居ないし。今日しかないと思って…」
「――早過ぎるって、どうして?」

久しぶりにリョーマが口を開いた。
低い、ちょっと冷たさを感じる声で。

「だって、リョーマはまだ中一だし…」
「…意識してるからでしょ」
「え?」
「年の差感じて、不安になるの!」
「わ……っ!」

リョーマは、私の上に覆い被さると、キスをしてきた。
今までしてきたキスとは違って、
唇だけじゃなくて、舌も絡まったキスだった。

「…んっ」

自然と、声が零れてしまう。
こんなこと何処で覚えてくるんだ…とは思ったけど、
凄く気持ち良かった。

「はぁっ…」

長く痺れるようなキスに、
私は離した後に少し息が切れ掛けていた。
少し苦しい、だけど…

……キモチイイ。


リョーマといつも二人で居て、
“嬉しい”や“楽しい”とは別の、初めて感じた心地良さだった。

「年なんて、関係ないじゃん」
「…え?」
、俺は俺。それだけ。生まれた年が違うからって、なんなの?」
「リョーマ…」
「好きって気持ちに年齢は関係ない、が俺に告白したときに言った言葉だよ」
「……そうだね」

そんなこと、まだ憶えててくれてるのが嬉しかった。
そう、確かに私がいった台詞だ。
今になって、言い返されちゃうなんてね。

「リョーマに台詞返されるとはな…」
「…まだまだだね」
「あー、またそういうこと言う!」


そうして、笑顔が重なって。

もう一回、キスをして。


それからは、二人だけの世界。



「んっ…リョーマ…!」
…」

もう露になっている肌に、唇が押し付けられる。
感じたことのない感触に、背中が仰け反る。

って…感じやすいんだね」
「ばかっ…そういう余裕綽々発言禁止っ!」
「仕方ないって。そういう性格なんだから」
「つっ…!」

服も捲くられ、全身が表立つ。

舌が這う。
指が滑る。

それは、遂に私の敏感な部分を捉えて。

「ひゃぁっ!」
「感じてるんだ?凄く赤い…立ってるよ」
「ん…やぁ…」

ちろちろと舌で転がされ、
くりくりと指で弄ばれ。

飛びそうになる意識を、繋ぎとめるのが必死で。
気付けば、私はリョーマの名前ばかり呼んでいた気がする。

「リョーマ…りょーまぁ…っ!」
…可愛い」
「はぁ…あっ……ゃ、リョーマ…」

上で意識が精一杯の中、
リョーマの手が、遂に私の下の部分をまさぐる。

「…っ!!」

思わず肩がビクッと上がってしまう。
その反応が面白かったのか、
リョーマは上の愛撫を止め下に興味を示した。

…凄い濡れてるよ。下着に染みてる」
「やだ…恥ずかしい…」

私は思わず顔を腕で覆った。
すると、リョーマは躊躇うことなく私の下着を下にずらした。

「リョーマ!?」
「いいでしょ?ここまで来てまだ恥ずかしいとか言ってるの?」
「……」

私は何も言わず、全てをリョーマに任すことにした。

やっぱり、勝負の時だからと思って、
今日の下着だって一番可愛いやつを履いた。
貴方に、脱がされるため。

「……」

下のその部分は、自分で触らなくともよく分かるほど、濡れていた。
そして、リョーマの手が花芯に伸びる。

「…やぁっ!!」

熱くなっているソコに突然の冷たい指が宛がわれる。
軽く擦られると、痺れるような感触。

不快な心地良さが生まれる。

「ハァ…リョーマ…!」
「なに、
「なんか、気持ち悪いっ」
「え、うそ」

思わず私が止めの言葉を入れると、
リョーマは反射的にパッと手を離した。
それに対して、私はまた反する言葉。

「いや、やめないで…!」
「…どっち」
「だって、気持ち悪いけど気持ち良いんだもん!!」
「何それ…」

もう思考回路もぶっ潰れて。
私は意味不明な言葉ばかり叫んでいた。

すると、リョーマは一瞬止まってから、

「もう、そろそろいいかな?」

と一言だけ言って、私の中に指を入れてきた。

「ひっ…!!」

突然の事態に、私の脳はパニック。
中で指が蠢く妙な感触。
そして、痛み。

「うっ…りょー、まぁ……はぐっ」
「大丈夫?痛い?」
「痛…くなくないっ!!」
「…痛いの?」
「痛い…くない」
「……」

もう完全にショートしている私の思考。
リョーマはもう半分呆れていたのかもしれない。

とにかく、私の頭の中にはいっぺんにいろいろな情報が入ってくるもんだから、
訳も分からなくなっていた。
大声で叫び出したくなる衝動を抑えて、必死に小声で声を出した。
それが、喘ぎ声というものなのかは、知らないけれど。

「あぁ…リョーマ…んっ…」
、気持ち良くなってきた?」

暫くその状態が続いていると、
痛みもなくなって、ほのかな快感すら感じるようになった。
指が仲を動き回っている不思議な感触は、消えないけれど。

「なんか、変な感じが…するぅ」
「それが、キモチイイっていうんじゃない?」
「えっ……あぅぅっ!」

すると、リョーマは指の本数を増やした。

「やっぱ、一本からいきなり三本はキツイかな…」
「やだ、痛い!痛いってば!!」
「ちょっと、待って…大丈夫だから」
「やだ、抜い…!ひゃぁぅ…」

突然の痛みに、私はリョーマのことを思わず腕で押し離そうとしてしまった。
リョーマはそれに対抗してきていたけど…
指が私の敏感な部分に触れると、全身の力が一気に抜けた。
チャンス、といわんばかりに、リョーマの指の動きは速くなった。

「ぃやあぁぁっ!あっ、はっ!!」
「凄い…ヌルヌル」
「やめっ、ハァ、りょーま、リョーマ…っ!」
…可愛いよ…。もう、俺もゲンカイかも」
「んっ…!」

リョーマは中全体を撫ぜるように擦り上げると、
指を全部同時に抜いた。

そして、自分のズボンを下ろすと、そそり勃つものを取り出した。

そのものを目の当たりにして、私は硬直した。


「……ねぇ」
「なに?」
「リョーマの、大きいね…」
「そう?別に普通だと思うけど…」
「それが、私の中、入るの?」
「うん」




数秒の、完全な沈黙。



「ちょっと待って!怖い!!」
、大丈夫だってば」
「う…」

思わず暴れてしまう私のリョーマは抑えた。
そして、軽く額にキスされた。

「俺はのこと信じてる。だからも、俺のこと信じて?」
「リョーマ…」

逆光になっているリョーマの顔が、
とても格好良くて逞しく見えた。


…そうだ。

私の前に居るのは、中一の少年じゃない。


越前リョーマっていう、一人の男なんだ。


「…ごめん。私、大丈夫」
「ホントに?」
「うん。ホント」

リョーマの凛々しい表情を見て、
よっぽど向こうの方が大人っぽいしなぁ、と苦笑する。


…大好きだから。

信じてる。

任せたよ。



全てを捧げると決めたから。





「……っ…」

熱く硬いものが宛がわれ、私は一瞬眉を顰めてしまう。
それは、嫌だったわけじゃなくて、反射的に。

心は、大丈夫。

「…いくよ?」
「――」

リョーマの言葉に、私は無言で頷いた。

そして、私の腰に手を掛け、
体重が、思いっきり乗せられた。


「―――っっ!!」


私は、声にならない声。

思わず全身がうずくまってしまうほどの、激痛。


「かはっ…、りょーま…イタっ、痛ぁ…!」
「ごめん…大丈夫?」
「大丈夫…だいじょう、ぶ…」

奥に差し込まれるにつれて、ミシミシとした感触が伝わってくる。
繋がっている場所が、裂けていくような痛み。

リョーマは、辛そうな顔でこっちを見てきた。
きっと、今すぐにでも動き出したい衝動を抑えてくれているのだと思う。

私は、自分に言い聞かせるように言葉を重ねた。
何より、繋がっていられることが嬉しかったから。


「少しずつ…挿れるから」
「うん…ありがとう」
「…変なの、お礼言うなんて」
「そうかな…えへへ…、っはぁ…!」

必死になんともないふりをして笑った。
リョーマには、無理な笑いだって気付かれてたかもしれないけど。

少しの痛みには、歯を食い縛って耐えた。
リョーマだって、きっと頑張ってると思ったから。

、全部、入ったよ…」
「ほんと…?嬉しい…」

素直にそう思った。
自然と笑みが零れた。
まだ痛みは消えなかったけど、
喜びがそれを上回った。

もっと、繋がりを感じたいと思った。

「リョーマ…いいよ」
「え?」
「いいよ…動かして…」
…ほんとに平気?」
「大丈夫だから…動いて」
「……!」

そう笑うと、リョーマは一瞬目をギュッと瞑って、
私の腰に宛がわれた手に力を入れ上下に動かし始めた。

「はぁっ!あっ!!」
…気持ちイイ…ごめん、止まらないかも…」
「いいよ、リョーマ…んっ、もっと…!」

ずれて擦りあう感触。
痛みは少しずつ和らいできて、
繋がっている部分には想像を絶するほどの快感。

少しずつ、果が見えてくる。


「あっ、リョーマっ!私、もう…やあぁっ!!」
…!」

私がリョーマを強く締め付けると同時、
私の中は何かで満たされた。



  **




行為が終わってから暫く、心地良い脱力感に埋もれて、
私たちはベッドで仰向けになって天井を仰いでいた。


「…思いっきり、中で出しちゃったね…」
「……ゴメン、ガマン出来なかった…」
「丁度安全日だったから、大丈夫だと思う、けど…」

私はゴロンとリョーマのほうを向いた。

「もしも、これで子供でも出来ちゃったらどうするのだね!?」
「……産んでくれる?」
「こらっ!!」

まったく、コイツはヌケヌケと…。
でもま、らしいかな、なんて思ってみた。


「で、どうだった?」
「?」
「誕生日プレゼントっ」

私が笑顔で言うと、
リョーマはいつもの生意気な笑みになって、言った。

「…まだまだだね」
「うわっ!それ超失礼!!」

私が顔を真っ赤にして怒ると、リョーマはくすっと笑って、
冗談だよ、と頬にキスしてきた。

「最高だった」
「ホントに?」
「うん。ホント」

そう言って、今度は口にキスしてくれた。

「来年も、同じプレゼントがいいな」
「誕生日だけでいいの?」
「…じゃあ誕生日は別のもの」
「こらーっ」

幸せだなあ、と思った。
本当に、私はこの人のことが大好きなんだって。

分かったから。


体と体の繋がり、そんなものよりもっと大切なもの。

心と心の繋がり、それが確認できた。


「これからもよろしくねっ、私の王子様」
「じゃあ、はお姫様?」
「あははっ、それもいいかもね」


そんなことを離しながら、
リョーマの誕生日は幕を閉じたのでした。




私の中に、一つの不安を残して。



…結局、その不安は数週間後に取り払われたのだけど、

「これからは、着ける物は着けよう…」

そう、私は心に誓うのだった。




…少し生意気で、よく困らせられちゃうんだけど。



「大好きだよ、私だけの王子様」


そう、こっそりと呟いたのだった。






















幸せ一杯夢見すぎ主人公。(待てよ)
リョーマのドリームは年上が好き。
とか偉そうなこと言っといてリョマさん初ドリだってば。
…裏々が初かよ、とか言う突っ込みは喉の奥で止めておいてください。

リョーマの生意気っぷりを出せたかなー、
と思っているのですがどうでしょう…。
所詮自己満?ははは。(空笑)

BD記念ということで書かせていただきました。
リョーマさんハッピーバースデー☆


2002/12/20