* 忘れないでね *












―8月26日。
今日は、神尾の誕生日である。

部活に来て、神尾は一人ドキドキしていた。
やはり、自分の誕生日というのは特別なもので、なんとなく嬉しいのである。


神尾は、早速片想いvの相手である杏に話しかけた。

「ねえ杏ちゃん、実は今日…」
「ごめん神尾君、今それどころじゃないから」
「あっ…そう……」

…あっさり流されてしまった。
結構な打撃を受けた。


神尾は肩を落として歩いていた。
そこに通りかかったのが…。

部活の仲間の伊武だった。
神尾は伊武とはかなり仲がいい。
今度こそは…と思って話しかけると…。

「あ、深司!今日さぁ…」
「何?宿題見せてもらおうっていうの?居るんだよねー。
 夏休み後半になるとそういうやつ。っていうか夏休みの宿題っていつも
 多すぎるんだよ。こっちは部活だってあって忙しいのわかってるのかな。
 大体……。(ブツブツ)」
「(始まっちまったよ…ボヤキ;)」

ボヤキが始まってしまうと、神尾にはもう手に負えない。
こっそりと退散するのだった。


辺りを見回すと、少し離れたところに立っていたのが…
部長の橘だった。
部長なら!と期待を投げかけ神尾は走り寄った。

「橘さん!今日は何の日か知ってますか?」
「今日……8月26日か?」
「ハイ!(お、なんか希望が…)」

橘が何か物知りげな表情になったので、
神尾はかなり期待した。

「……!誕生日か!!」
「やっと…!」

直後、橘の口から出た言葉も期待通りのもので。
しかし…。

「オセロの中島知子の!!!」
「えーっ!?(ファンなのか!?!?)」


部活が終わった時、神尾は一人寂しく呟いた。


「誰も…気付いてくれなかった」



…こうして、神尾の誕生日は、
謎と切なさだけを残しすぎていくのでした。


ちゃんちゃん。
























すみません…うちの神尾こんな感じ。(やられ役)
でも、そんなところにまた愛vな管理人Iです。(こら)

実は、自分が神尾の誕生日忘れちゃったことから始まった小説…。
ごめんね、キャミオ。大好きだよ。

8月26日誕生日の人は必死に探した。
橘さん、なんかオセロ好きそうだなあと思って決定。(ぉ


2002/09/03(2002/12/24追記)