* 誕生日プレゼント *












「おおいしぃ〜!お誕生日おめでとぉ〜♪」
「ありがとう、英二」

今年も、無邪気な顔をして英二がうちにやって来た。

「ね、ね、どっか出かけよ!今日はオレのおごりだからさ♪」
「そうだな…どこか行くとするか」

そういって出かけたけど…。歩き始めて5分ぐらい。

「あれ?アレアレアレ?」
「どうした?」
「サイフ忘れた〜;;」
「……;」
「にゃ〜;そんな〜;;」
「いいよ、お金かけなくてもいけるところはあるし」
「おおいし…」

そうして、俺たちは足の向くまま、気の向くままに、
適当にその辺を散歩した。

「あ〜疲れた」
「そうだね」
「……ゴメンネ、大石。オレ何もしてあげられなくて…」
「いや、そんなことはないよ。今日は楽しかった」
「そっか…ならいいケド」

 この言葉にウソはない。
 だって、オレは英二と2人でいられるだけで幸せだから…。

「あ、そうだ!」
「ん?なんだ?」
「今日はね、えっと…プレゼント!用意してきた…」
「? 荷物持ってないみたいだけど?」

一体何だ?プレゼントなんて。
当の本人は顎を引いてこっちを上目遣いに見てきた。


「エヘヘ…誕生日おめでとっ、大石!」


 ―――――…。


 何かが一瞬頬に触れた。






















ぎゃぁ!うわっ!何コレ!!!(お前だ)
学年集会中、15分足らずでガーっと。
あはは…;

頬じゃなくて口でも良かったカナなんて…。
逝って参ります。(そして帰ってくるな)


2002/05/02