* 華麗に魅了でまた来襲 *












「ゲーム菊丸!6−4!」

審判のコールで、試合が終わった。

「だぁ〜!負けた!!」

思わず地面にねっころがる。
すると、ネット越しにエージ先輩が言ってきた。

「まだまだ桃には負けないよん」
「ちっくしょ〜…」

どこに打っても、ヒラリと身をひるがえして
どんなボールにも追いついてしまう。
そして、常人では思いつかないような体勢で打ち込んでくる。
それが先輩のプレイスタイルなのだけれど。
……納得いかね〜。

「納得いかないっスよ、先輩」
「にゃんだよ桃ぉ。自分の負けぐらい認めろよ!」
「違いますよ!だって…」

あの打球もそう。あの時のもそう。最後の一球だって…。

「先輩、本気出してないでしょ」
「え〜?ちゃんと出してるよ!」
「有り得ないっスよ!だって…」

華麗な動きに気を取られてだしてしまった浅くて緩いロブ。
スマッシュの絶好球。
当然打たれると思った。なのに…。

「なんで緩いロブを更に緩いロブで打ち返す必要があるんスか!?」
「でも桃取れなかったじゃ〜ん」
「ぐっ…」

この先輩はいつもそう。
人の意表を突くことをして。
掴もうと思ってもヒラリと交わしてしまう。
華麗な動きに魅了される。
でも、その罠にはまったら最後、
もう二度と抜け出せない。

「でも桃すっごい強くなったよね!」
「ちぇっ。おだてたって無駄っスよ」
「おだてなんかじゃないよ〜」

思わず不機嫌な口調になる。
可愛さ余って憎さ百倍ってヤツか?

「ま、次は借りを返しますよ」
「こっちは借りをあだで返すまでだね」
「あっ!なんスかそれ!」
「残念無念また来週〜♪」

そう言って走り去る先輩も、
また華麗で可愛らしかった。
そう。
この先輩は可愛いんだ。
完全に魅了させられてしまった。
自覚はあっても、どうにもならない。
はまっちまったな。
もう抜け出せね〜な、抜け出せね〜よ。
























桃菊です。一応。
リョーマが入ってきて初めてのランキング戦の時。
結果がはっきりと出てなかったので勝手に妄想。

桃菊、好きですよ。
それ以上に大菊が好き過ぎるだけで。(コラ)
三角関係でもOKよ。(何がや)


2002/06/22